エピソード紹介

ご夫婦のお客さま。控え目だったご主人から満面の笑顔をいただいた日。

ご夫婦でお弁当をご注文いただいているお客さま。お届けし始めた当初は、奥さまが玄関先に出ていらっしゃいました。ですので、話をするのはもっぱら奥さまと。ご主人もご在宅でしたが、ほとんど顔を出されなかったので、大人しい方なのかな?と思っていました。ある日、お届けにあがると、奥さまが病院に行かれて不在だったため、ご主人が玄関先に。ご主人が公園の掃除を日課にしていることを奥さまから聞いていたので「毎日大変じゃないですか?」と思い切って声をかけてみたんです。すると、満面の笑顔で「いやあ大したことないよ」とお話をされて、会話が弾んで。その日を境にご主人に抱いていたイメージが間違っていたことが判明。お話が面白くて、楽しくて、活発で素敵な人だったことがわかりました。今ではご夫婦で私のことを娘のように可愛がってくれます。お弁当をお届けにあがると「お帰り」と言って迎えてくれる。私も、まるで親戚が増えたような気がして、いつも会うのを楽しみにお弁当をお届けしています。

ふれあいから生まれるつながりや絆が、仕事を楽しくする。

耳の遠いお客さまからいただいたひと言。「あなたの声だけはよく聞こえるのよ」。

私がお届けにあがっているお客さまの中に、ご高齢のため耳が遠くなっているお客さまがいらっしゃいます。もちろん、大きな声でご挨拶やお話をしているのですが、それだけでなく、ジェスチャーを交えて話したり、ハッキリ顔の表情をつくってコミュニケーションをとるよう私なりに工夫をしていました。ある日、いつものようにお弁当をお届けに伺ったら、「不思議なんだけどね、あなたの声だけはいつもよく聞こえるのよ」とお客さまから言われたんです。それは、私の声が実際に聞こえたわけではなく、大きな身振り手振りやハッキリとした表情が、お客さまに言葉として伝わっていたということ。私は嬉しくて、それこそ満面の笑顔だったと思いますが、「ありがとうございます!」ってお客さまの手を自然と握っていました。現在も毎日お弁当をお届けしていますが、あの日から、よりお客さまとの信頼関係が深まった気がしています。

思いやりから生まれるアイディアや工夫が「まごころ」になる。

いつも残していたお弁当。ある日、「全部食べたよ」と笑顔で報告してくれた。

そのお客さまは101歳。もともと、離れた土地に住んでいる娘さんが申し込まれて、お届けを始めたのですが、お弁当を残されていることが多く、お弁当が気に入っていただけていないのではないかと、次第に私は不安になって娘さんにお電話で相談をしました。その時、娘さんが、私は遠くに住んでいてなかなか会えないので、毎日お弁当をお届けしていただくことで、父の健在を確認したい、できればひと言でも声をかけていただければ助かります、とおっしゃられたんです。娘さんがお届けサービスを始めた本当の理由。それを初めて知った私は、それからできる限り娘さんの想いに応えようと、毎日声をかけ、体調を気にかけるよう努めました。そんなある日、お客さまから嬉しいひと言が。「昨日は全部食べたよ、毎日ありがとう」。その頃からお弁当を残さず食べていただけるようになり、よくお喋りもするようになりました。今ではとっても仲良し。特別なことをしたつもりはありません。それでもお客さまに娘さんや私の想いを伝えられていたのであれば、これほど嬉しいことはありません。

お客さまの人生を明るく、元気にする仕事。

体調が心配で添えていたお手紙。ある日お返事をいただいて…。

この仕事を始めて4ヵ月くらいが立った頃。仕事にも慣れてきて、お客さまとも少しずつ顔なじみになってきた頃に、いつも手渡しでお弁当をお届けしていたお客さまが、不在がちになっていました。体調を崩して通院しているとは聞いていたのですが、なかなか会えない時期が続いていたので心配になり、「体調は大丈夫ですか?」と簡単なお手紙を添えてお弁当をお届けしていたんです。するとある日、空のお弁当箱が入ったボックスを回収しようとしたところ、お手紙が添えてあるのを見つけました。中身を読ませていただいたところ、手紙に大変喜んでいただいたようで、感謝の気持ちを綴ってくださっていました。私が添えたのは本当にメモ程度のお手紙。それがこんなに喜んでいただけるなんて、少し恥ずかしい気持ちでしたが、純粋に嬉しくて。この時、初めてこの仕事のやりがいを実感しました。今ではお客さまの体調も良くなり、また手渡しでお弁当をお届けしていますが、その時から始まった文通も続けています。

「まごころ」のお付き合いが始まると、やりがいがひとつ増える。